世界のお葬式・葬儀の事情
日本では火葬が一般的な葬送として行われますが、世界にはさまざまな葬儀・葬送方法があります。その中でも特に珍しい方法をご紹介していきます。
ノルウェー:どこに埋葬されたか分からない?ミンネスルンド
「ミンネスルンド(日本語で追憶の杜)」とはノルウェーにある共同墓地のこと。
1980年ごろより作られたこの墓地は「遺骨を無記名で埋葬する」という特徴があります。モニュメントや共同の花置き場、芝生などが整備されており、公園のような雰囲気です。
個別に墓跡はなく、また、埋葬には遺族や友人が立ち会うことはできません。
ミンネスルンドが普及してきた背景として、墓の管理の負担軽減と費用の安さが挙げられます。日本でも同様の理由で自然葬を選択する人が増えていますが、「死んだ後に迷惑をかけたくない」という考えは世界共通のようですね。
選ばれるもう一つの理由はミンネスルンドのもつ「死後の連帯・平等」という哲学です。「多くの人と共に、土に還り眠りたい」と願う人が多いのでしょう。
チベット:死者を天へ送り届ける鳥葬
鳥葬はチベットにある5種類の葬儀、「塔葬」「火葬」「鳥葬」「水葬」「土葬」のうちの一つです。
鳥葬は遺体を鳥に食べさせることによって天に還ることを願う葬送方法です。
翼のある鳥に遺体を食べさせることで魂をを託し、天まで運んでもらう、という意味があるようです。
また、チベット高地では木が少なく、寒冷による土地の硬化、微生物の分解の遅さなどから火葬や土葬ではなく鳥葬が広まった理由の一つと言われています。
チベットの他、モンゴルやインドの一部地域などの他の国でも行われている葬送方法の一つです。
アメリカ:ニューオリンズで行われるお祭りのようなジャズ葬
アメリカのルイジアナ州南部ニューオリンズでは、個人をジャズの音楽で明るく見送るジャズ葬が行われています。
ジャズやゴスペルなどを歌ったり踊ったりしながら見送るこの華やかな葬儀ですが、奴隷生活から死によって解放された人への祝杯が始まりと言われており、悲しい歴史に由来しています。
しめやかに故人を見送る葬儀が一般的な日本からすると、人によっては、お祭りのように騒ぎ、時には担いだ棺を激しく揺らすジャズ葬に対して違和感を持つかもしれませんが、死者を弔い、天国へ送り出す思いは同じです。
世界の珍しい葬儀を3つご紹介しました。
このほかにも珍しい葬儀はたくさんあります。葬儀の違いを知ることは、異なる文化や歴史を知ることでもありますね!
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